杖道(じょうどう)とは

剣、槍、薙刀(なぎなた)術のそれぞれの長所を取り入れ、丸木の棒の特性を活かし、打つ・突く・払うなどの技法により杖一本で剣を制する武術です。

四百年の伝統を有する神道夢想流(しんどう/しんとう・むそうりゅう)の組形に基づいた稽古体系に則り、基本となる所作から精妙な術技に至るまで段階的に、初心者でも安全に学べます。

修得の度合いとともに強靭でありながら優美な動きが身に付き、日本固有の身体・精神文化の理解が深まると、近年は女性や海外からの修行者も増加しています。一日早く始めれば一日早く上達します。

●杖一本で身を守る護身術
丸木の棒は人間が手にした道具の中で最も古いものの一つです。太刀を持った相手に対応する修錬により、どこにでもある棒杖があなたの身を守る強力な武器となります。屈強な相手であっても体力差を補い、刃物による攻撃を制する技法は、現代においてもさまざまな局面に応用可能です。

●全身運動の健康法
左右を均等に使い、円と直線の動きを組み合わせた技法は全身を連動させる健身運動。指先を多用する杖の操法は脳の活性化に有効と云われています。普段の稽古を通じて心肺機能も高まり、日本古来のエアロビクスと称されることも。筋力に頼らないため、老若男女を問わずいつからでも始められます。

●優れた心身統一法
静と動が交錯する動きの中でも呼吸を乱さず気杖体の一致をめざす鍛錬は、集中力の強化につながります。現代人にとってストレス解消に役立つばかりでなく、生死を分かつ非日常の世界に身をおいた心身の錬磨は動く禅とも呼ばれ、人生のさまざまなシーンにおける決断にプラスの効果が期待できます。

杖道の歴史や発展の経緯については、当会の上位団体である日本杖道会のホームページをご参照ください。